「個人情報漏えいのおわび」というニュースが、最近本当に増えましたね。
私もとうとう不安になって、夫婦のiPhoneのセキュリティを見直すことにしました。
やってみて分かったのは、iPhone セキュリティ対策でいちばん大事なのは、やる「順番」だということです。
最初に守るのは、銀行ではなくメールでした。
パスワードを忘れたときの再設定の案内は、たいていメールに届きます。メールを乗っ取られると、そこから銀行も買い物サイトも、次々にパスワードを変えられてしまうからです。
この記事では、私が実際にやった順番と、途中でつまずいた所をそのまま書きました。
画面の名前はiPhone(iOS 18以降)のものです。

全部を1日でやらなくていいのよ。上から順に、できるところまでで十分だわ
iPhone セキュリティ対策を始めたきっかけと、決めた順番
メールをiCloudとYahoo!からGmailにまとめたかった
私の場合は、Apple IDのメールがiCloudのアドレスのままでした。
銀行や買い物サイトにも、iCloudやYahoo!のアドレスで登録しているものがいくつもありました。
Gmailは迷惑メールの仕分けが強いと聞いていたので、大事なものをGmailにまとめたいと思ったのが始まりです。
ただ、ひとつ気をつけないといけないことがありました。
全部をGmailにまとめると、そのGmailが「すべての合鍵」になります。
なので、アドレスを変える前に、まずGmailの守りを固めることにしました。
届いたメールが本物かどうかの見分け方については、フィッシング詐欺 見分け方の基本|情報漏えいの「おわび」メールも、リンクは踏まず公式で確認の記事で詳しく紹介しています。
私が決めた順番は、この5段階
- Gmail(2段階認証・再設定用の連絡先)
- Apple ID(メールをGmailへ・2ファクタ認証の確認)
- お金に関わるもの(ネット銀行・クレジットカード・ネット証券)
- 買い物サイト(カードを登録しているところ)
- そのほか(あまり使っていないサイトは、少しずつ)
メールやアカウントの「入口」から守って、最後にお金の出口を固めるという考え方です。
実際にやったiPhone セキュリティ対策6つ
①Gmailの2段階認証をオンにする
確認してみたら、いちばんよく使うGmailの2段階認証が「オフ」でした。
これにはさすがに驚きました。
確認する場所
- Gmailアプリ → 右上の丸いアイコン →「Google アカウントを管理」
- 「セキュリティとログイン」→「Google にログインする方法」
- 「2 段階認証プロセス」がオンかオフか
オフなら、タップして「2 段階認証プロセスを有効にする」を押します。
携帯の電話番号を入れて、SMSで届いた6けたの数字を入れれば、それで完了です。
これで、新しい機器からログインするときに、自分のiPhoneへの確認が必要になります。
パスワードが漏れても、自分のiPhoneがなければ入れない状態になりました。
つまずいた所1:再設定用のメールアドレスに黄色いマーク
同じ画面の「再設定用のメールアドレス」に、黄色いびっくりマークがついていました。
「アドレスを確認してください」という意味で、確認が済んでいないと、いざというときに使えないことがあります。
タップして確認コードを送ってもらい、届いた6けたを入れたら、黄色いマークが消えました。
つまずいた所2:確認コードが「同じGmailアプリ」に届く
別のアカウントで、再設定用のアドレスに自分の別のGmailを登録しようとしました。
すると、確認コードが届いたのは、いま設定しているのと同じGmailアプリの中。
コードを見に行くと、入力画面が閉じてしまいます。
私は、iPhoneは入力画面のまま置いておき、Macのブラウザでメールを開いてコードを見ました。
パソコンがない場合は、コードを紙に書いてから戻っても大丈夫です。黄色いマークのところから、もう一度入力できます。
つまずいた所3:パスワードを忘れていたアカウント
ほとんど使っていなかった個人用のGoogleアカウントは、パスワードを忘れていました。
再設定をしたら「本人確認ができませんでした」と出て、ログインできませんでした。
ところが、家のテレビとiPhoneのYouTubeアプリでは、そのアカウントでログインしたままになっていたんです。
いつも使っているiPhoneから手続きしたら、新しいパスワードが通りました。
ログインしたままの機器は、取り戻すための大事な手がかりです。あわててログアウトしないでくださいね。
ただ、続けて2段階認証を開いたところ、また「本人確認を行えませんでした」と止められました。
パスワードを変えたばかりで、Googleが慎重になっているのかなと思い、1週間ほどあけて同じiPhoneで試すことにしています。

何度も続けて試すと、かえって警戒されるのよ。止められた日は、そこでやめておくのが近道だわ
②バックアップコードを紙に書いておく
すでにパスキー(顔認証でログインする仕組み)を使っていた大事なアカウントでは、「バックアップ コード」にも黄色いマークがついていました。
バックアップコードは、iPhoneをなくしたり壊したりして、いつもの確認ができないときの予備の鍵です。
「バックアップ コードを取得」を押すと、数字が10個出てきます。
私は最初、ログインのときにこの10個を全部入れるのだと思っていました。
実際は、1回のログインで使うのは1個だけ。使ったコードは無効になるので、紙の上で線を引いて消していきます。
写真に撮ってiPhoneに保存すると、iPhoneをなくしたときに一緒になくなってしまいます。
なので、紙に書いて、通帳などと同じ場所にしまいました。
アカウントがいくつもあるときは、同じ紙に「どのアカウントの再設定用アドレスが何か」も1行ずつ書いておくと、あとで迷いません。
参考:Google アカウント ヘルプ「バックアップ コードを使用してログインする」
③Apple IDのメールをGmailに切り替える
Gmailの守りが固まってから、Apple IDのメールを切り替えました。
手順
- 「設定」→ いちばん上の自分の名前 →「サインインとセキュリティ」
- いまのメールアドレスをタップ →「主要メール」をオフ
- 別のアドレスを選ぶ画面で、Gmailを追加して選ぶ
- Gmailに届いた確認コードを入れる
iCloudのメールアドレスそのものは消えません。サインインに使うアドレスがGmailに変わるだけで、iCloudメールは今までどおり使えます。
つまずいた所4:「iMessageとFaceTimeに追加しますか」
切り替えの最後に、このGmailをiMessageとFaceTimeにも追加するか聞かれました。
私は「いいえ」にしました。
追加すると、このGmailを知っている人から、メッセージやビデオ通話が届くようになります。
Gmailはこれから銀行や買い物サイトに登録していくアドレスなので、知らない人からの連絡の入口は増やさないことにしました。
メッセージもFaceTimeも、電話番号で今までどおり使えます。
同じ画面の「2 ファクタ認証」は、「確認方法」に自分のiPhone・Mac・電話番号が並んでいれば、すでにオンになっています。
参考:Apple サポート「Apple Account の主要メールアドレスを変更する」
④パスワードアプリの「セキュリティ」を見る
iPhoneには、鍵のマークの「パスワード」というアプリがもともと入っています。
ここの「セキュリティ」を開くと、使い回しているパスワードや、漏えいしたことのあるパスワードを教えてくれます。
私のiPhoneでは、28件も出てきました。
初めて開いたときは、正直びっくりしました。
思っていた以上に、同じパスワードを使い回していたんです。
パスワードアプリを一度も開いたことがない人は、まずここを見てみてください。数字で出てくると、自分の状態がよく分かります。
赤い文字の「漏えい」の中には、ネット証券も入っていました。
つまずいた所5:パスキーを使っていると、パスワードを変えられない
ネット証券は、パスキーで顔認証ログインをしていました。
パスワードを変えようとしたら、「パスキー利用中は変更できません」という表示。
調べてみると、私の使っているネット証券では、パスキーを使っている間はログインもパスキーで行う仕組みでした。
パスキーはフィッシング詐欺に強い仕組みです。漏れた古いパスワードを誰かが知っていても、私のiPhoneの顔認証がなければ入れません。
ただ、パスキーを消したり機種変更したりすると、パスワードでのログインに戻ります。そのときは、真っ先にパスワードを変えるつもりです。
念のため、取引履歴と入出金履歴に、覚えのないものがないかも見ました。
使い回しで、急いで変えたもの
使い回しの中には、通販サイトとカードで同じIDを使うサービスと、Apple IDそのものが入っていました。
Apple IDのパスワードは、iPhoneの「設定」→ 自分の名前 →「サインインとセキュリティ」→「パスワードを変更」から、iPhoneのパスコードだけで変えられます。
Apple IDだけは、iPhoneをなくしたときに新しいiPhoneで入力する必要があるので、自分で覚えられるパスワードにして、バックアップコードの紙に一緒に書きました。
途中で「ほかのデバイスからサインアウトしますか」と聞かれましたが、登録されている機器が全部自分のものだったので、サインアウトはしませんでした。
パスワードを変えたら、パスワードアプリの「セキュリティ」から、その項目が消えているかを見ると安心です。
参考:Apple サポート「iPhoneで脆弱なパスワードや侵害されたパスワードを変更する」

28件を一度に片付けなくていいのよ。お金とつながっているものから、1日1つずつで十分だわ
⑤ネット銀行とクレジットカードの登録メールを変える
ネット銀行は、アプリからメールアドレスを変えました。
変えたあと、いつもの顔認証でログインできなくなって、少しあせりました。
認証コードとPINを入れてログインしたあと、一度ログアウトしてから入り直したら、顔認証が元に戻りました。
アプリの「セキュリティ設定」では、アプリで承認する認証の仕組みが「登録済み」になっているのも確かめました。
クレジットカードは、同じカード会社で2枚作っています。
そのカード会社のアプリで1枚目のメールを変えたら、2枚目も新しいアドレスになっていました。
アプリでカードの表示を2枚目に切り替えて見たら、ネット通販のときの本人認証も、2枚とも「登録済み」でした。
自分で登録した覚えはあまりなかったのですが、ネット通販のカード払いでは2025年3月末までに本人認証を入れる方針になっていて、買い物の途中で登録していたようです。
メールの変更は、メールのリンクからではなく、必ずいつものアプリから行いました。
⑥メモや写真のパスワードを、パスワードアプリへ移す
実は私、パスワードをiPhoneの「メモ」アプリに書いて管理していました。
最初はUSBメモリーに移そうと思ったのですが、やめました。
USBメモリーは小さくてなくしやすく、拾った人に全部見られてしまいます。ある日突然読めなくなることもあります。
パスワードアプリなら、開くたびに顔認証が必要で、ログイン画面で自動入力もしてくれます。
もっと早く知っていれば、メモがパスワードでいっぱいになることもなかったし、ログインもずっと楽だったはずです。
今は、お金に関わるものから順に、必要なものだけをパスワードアプリへ移しています。
全部移し終わったらメモを削除して、「最近削除した項目」からも消すつもりです。メモは削除しても、そこに30日間残るからです。
写真に撮っておくのも危ない
お恥ずかしい話ですが、私はマイナンバーカードを作ったときに、市役所で暗証番号を書いた紙を、写真に撮って残していました。
書き写すより、写真のほうが楽だったからです。
でも写真は、iCloudに保存されていれば、Apple IDを乗っ取られたときにそのまま見られてしまいます。人に写真を見せるときに、うっかり映ることもあります。
今回のことで、初めてその危なさに気づきました。
暗証番号の写真は消して、「最近削除した項目」からも消しました。控えは紙に書いて、カードとは別の場所にしまいます。
パスワードアプリの、ふだんの使い方
使ってみて分かったのは、パスワードアプリは「アプリを開いて使う」というより、ログイン画面で自動で出てくるものだということです。
- ログイン画面でIDやパスワードの欄をタップすると、キーボードの上に保存してあるアカウントが出てくる → タップして顔認証(指紋)で入力
- 新しくパスワードを決める欄では、iPhoneが「強力なパスワード」を作ってくれることがある → 使えば自動で保存され、覚えなくていい
- Safariでログインしたときなどは「パスワードを保存しますか」と聞いてくる
ただ、いつでも聞いてくれるわけではありません。
私の場合は、通販サイトのアプリの中でパスワードを変えたとき、「保存しますか」は出てきませんでした。パスワードアプリの中は古いパスワードのままです。
アプリの中で変えたときは、自分で書き換えると覚えておくと安心です。項目を開いて、右上の「編集」から直せます。
できるだけSafariでそのサイトを開いて変えると、保存を聞いてくれやすくなります。
保存や自動入力がまったく出てこないときは、「設定」→「一般」→「自動入力とパスワード」で、「パスワードとパスキーを自動入力」がオンになっているかを見てください。
夫のiPhoneでやったこと
指紋認証のiPhoneでも同じようにできた
夫のiPhoneは顔認証ではなく、指紋認証です。
それでも、2段階認証もパスワードアプリも、同じ手順でできました。画面に「顔認証」と出るところは、指をのせるだけです。
夫は、同じメールアドレスと同じパスワードを、ほとんどのサービスで使っていました。
いくつもパスワードを覚えられないのは、誰でも同じですよね。
ただ夫はこういう設定が得意ではないので、私よりも夫の口座のほうがずっと心配でした。
なので、ネット銀行は特にていねいに見ました。
アプリで承認する仕組みが「他の端末で登録済み」
アプリの認証を登録しようとしたら、「他の端末で登録済みです。この端末で登録すると、他の端末の認証情報は削除されます」と出ました。
夫に心当たりはありません。
アプリを入れ直したり、データを引き継いだりしたときにも出ることがある表示です。
この携帯で登録し直せば、もし知らない端末だったとしても、そちらからは承認できなくなります。
なので登録し直して、そのあと入出金明細に覚えのないものがないかを確かめました。
途中、カメラで顔を撮る本人確認がありました。これは口座の持ち主本人の顔を映す必要があるので、夫にカメラを向けてもらいました。
振込限度額を、ふだん使う額まで下げた
1日に振り込める上限を、夫がふだん振り込む額に合わせて下げました。
万が一乗っ取られても、動かされるお金をその額までにおさえられます。
カードの引き落としや公共料金の口座振替、給料の入金には影響しません。
ほかの銀行にある自分の口座へ移すときは上限に入るので、大きく動かすときだけ前の日に上げるつもりです。
使っていない家計簿アプリのつながりを切った
以前使っていた家計簿アプリが、銀行の「API連携」に残っていました。
銀行のアプリで連携を解除して、家計簿アプリのほうも退会しました。
アプリを消しただけでは、銀行とのつながりやアカウントは残ったままです。
指紋でのログインも戻った
ずっとPINでしかログインできなかったネット銀行も、アプリの「認証設定」で生体認証を選び直して、ログアウトしてから入り直したら、指紋で入れるようになりました。

パスワードや確認コードは、家族のでも本人に入れてもらうのがいいのよ。そばで手順を読む役がちょうどいいわ
やらなくていいと判断したこと
調べていくと、設定の項目がたくさん出てきます。
全部やろうとすると疲れてしまうので、私は次のものは「今はやらない」と決めました。
- セキュリティキー:鍵になる小さな機械を別に買う方法。なくしたときに備えて2個必要で、自分も入れなくなる心配がある
- 復旧キー(Apple ID):28文字の暗号を自分で保管する方法。なくすとAppleでも助けられなくなる
- 認証アプリ:iPhoneへの通知とSMSで十分守られている
- 使っていないアカウントの削除:どこかの再設定用アドレスになっていたり、ログインに使っていたりすると困るので、消さずに残す
使っていないGoogleアカウントは、2年間まったく使わないと削除の対象になります。
年に1回くらい、ログインしてメールを1通開くことにしました。年末の大掃除のついでにやるつもりです。
Apple IDの「復旧用連絡先」(家族のiPhoneで取り戻しを手伝ってもらう仕組み)は、夫と相談してから決めることにしました。
これだけは家族にも伝えたいこと
設定をしても、自分から鍵を渡してしまったら意味がありません。
夫には、次のひとことだけを伝えました。
「メールやSMSのリンクからはログインしない。気になったら、いつものアプリを自分で開いて確かめる」
本物の連絡なら、アプリを開けば同じお知らせが出ています。
ほかにも、次のことは覚えておくと安心です。
- 確認コードやバックアップコードは、誰にも教えない(「サポートです」と電話で聞かれても教えない)
- 自分が操作していないときに「承認しますか」「ログインしようとしていますか」と出たら、「いいえ」を押す
- 自分が操作した直後に届いたSMSのURLなら押してよい。何もしていないときに届いたものは押さない
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家のルーターについては、ルーター 古いけど大丈夫?借りものか買ったものかで変わる3つの確かめ方の記事で、借りものか買ったものかの確かめ方を紹介しています。
まとめ
iPhone セキュリティ対策は、全部を完璧にやるより、順番を守ることが大事でした。
- いちばん先に守るのはメール。Gmailの2段階認証と、再設定用の連絡先の確認から
- 黄色いマークは「まだ確認していない」の合図。確認コードを入れれば消える
- バックアップコードは10個のうち1回1個。紙に書いて大事な場所へ
- Apple IDのメールをGmailにしても、iCloudメールはそのまま使える
- パスワードアプリの「セキュリティ」で、使い回しと漏えいを確認。お金に関わるものから1日1つずつ
- パスワードはメモや写真に残さず、パスワードアプリへ。アプリの中で変えたときは自分で書き換える
- 銀行は、メールの変更・アプリの承認・振込限度額の3つ
正直、ひとつひとつ神経を使いました。
でも、夫婦の大事なところが終わったときは、本当にほっとしました。

今日は1つだけでも大丈夫よ。まずはGmailの2段階認証がオンか、見てみてね
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