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帰省したとき、親が段差でよろけたり、立ち上がるときに「よいしょ」と何かにつかまったりする姿に、ヒヤッとしたことはありませんか。
「実家に手すりをつけてあげなきゃ」と、すぐに行動したくなりますよね。
でも、実家 転倒予防でいちばん大切なのは、「勝手に対策を始めないこと」だと私は考えています。
親の困りごとや家の中の動線を確認しないまま進めた対策は、使われなかったり、かえって親の気持ちを傷つけてしまったりすることがあるからです。
この記事では、手すりや大がかりな工事の前にできる転倒予防を、5つのステップでご紹介します。

良かれと思ってやったことが空回りするの、親子だとよくあるのよね
実家の転倒予防で「勝手に手すり」がうまくいかない理由
高齢者のけがの多くは、外出先ではなく住み慣れた家の中で起きていると言われています。
転倒する場所も、階段や玄関だけでなく、ふだん過ごしている居間や寝室が多いというデータもあるようです。
「住み慣れた家なら安全」とは限らない、というのが出発点です。
だからといって、子ども世代が先回りして手すりや器具を取り付けるのは、ちょっと待ってほしいのです。
良かれと思った対策が「使われない」ことがある
転倒予防の対策は、親の動線に合っていないと使われません。
- 手すりをつけた場所を、実は親はほとんど通らない
- 立ち上がりの補助具を置いたら、「年寄り扱いしないで」と嫌がられた
- 敷いたマットの端がめくれて、逆につまずきそうになった
こうした「すれ違い」は、親の暮らしを見ないまま対策だけを持ち込んだときに起こりがちです。
まずは親の話を聞くこと。
対策はそのあとで十分間に合います。

手すりって「つける場所」より「つける前の会話」が大事なのね
実家 転倒予防の5ステップ
ここからは、帰省のタイミングでできる転倒予防を、順番にご紹介します。
ステップ① 親の「困りごと」を聞く
最初にやることは、道具選びではなく聞き取りです。
- 夜、トイレに起きることはある?
- 家の中で「ここは危ないな」と思う場所はある?
- 立ち上がるときやしゃがむとき、つらい動きはある?
命令口調ではなく、雑談の延長で聞くのがコツです。
「心配だから教えて」という聞き方なら、親も答えやすくなります。
こうした会話のきっかけ作りは、別記事も参考になります。
→ 聞きにくいけど大切。親と話しておくこと7つのチェックリスト
ステップ② 家の中の動線を一緒に歩いてみる
次に、親がふだん通る道を一緒に歩いてみます。
- 寝室からトイレまでの夜の道のり
- 玄関の上がりかまち(段差)
- 階段の上り下り
- お風呂場の出入り
とくに「夜、暗い中を歩く場所」は、転倒の心配が大きいと言われています。
電気のスイッチが遠い、廊下が暗い、といった気づきがあれば、それがそのまま対策リストになります。
ステップ③ まずは「置くだけ・敷くだけ」から始める
動線の確認ができたら、工事のいらない小さな対策から始めます。
夜の暗さには、乾電池式のセンサーライトが手軽です。
人が近づくと自動で点いて、離れると消えるので、スイッチを探す必要がありません。
配線工事がいらない乾電池式なら、廊下や階段、ベッドサイドにぽんと置くだけで使えます。
親に新しい操作を覚えてもらう必要がないのも、うれしいところです。
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廊下やトイレまでの夜の動線には、電球色でふわっと点くスタンドタイプもおすすめです。
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階段には、置くだけで吸着するタイプの滑り止めマットという選択肢があります。
裏面が吸着加工になっていて、置くだけでずれにくく、テープや接着剤で家を傷めません。
マットがあることで段差の境目が見やすくなるタイプもあり、一段ずつ確認しながら上り下りできます。

「置くだけ」なら、親も「そこまでしなくても」って身構えないですむわね
ステップ④ 「つまずきの芽」を片付ける
道具を足すことと同じくらい、引き算も効果的です。
- 廊下や部屋の電気コード
- 床に置いたままの新聞や雑誌
- 端がめくれた古いカーペットや座布団
床の上の小さな障害物を減らすことは、お金のかからない転倒予防になります。
ただし、親のものを勝手に捨てるのは禁物です。
片付けの進め方は、別記事でも紹介しています。
→ 実家の片付けはどこから?親と揉めない進め方4つ|50代の帰省前に
ステップ⑤ 手すり・住宅改修は専門家に相談してから
「やっぱり手すりが必要そう」となったら、ここで初めて工事の検討です。
ただし、自己判断で工務店に頼む前に、知っておきたい制度があります。
介護保険の認定を受けている場合、手すりの取り付けや段差解消などの住宅改修に、費用の一部が支給される制度があるとされています。
また、取り付ける位置や高さは、本人の体の状態によって変わるため、理学療法士やケアマネジャーなど専門家の視点が入ると安心という考え方が一般的です。
最初の相談先としては、実家のある地域の「地域包括支援センター」が窓口になります。
地域包括支援センターの相談内容や利用の仕方については、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
地域包括支援センターとは?離れて暮らす子が相談していい3つの理由
実家の転倒予防とあわせて考えたい「見守り」
転倒予防の対策をしても、離れて暮らしていると「今日も無事かな」という心配は残りますよね。
そんなときは、見守りカメラや、毎日の電話・LINEなど、日常の様子を知る仕組みをあわせて考えるのがおすすめです。
見守りカメラの選び方は、別記事でまとめています。
→ 見守りカメラ 親が嫌がらない選び方3つ|離れて暮らす安心のために
また、介護やお金の話は、元気なうちに少しずつ共有しておくと、いざというときに慌てずにすみます。
親の介護のお金については、別記事でどうぞ。
→ 親の介護 お金は誰が払う?「親のお金で払う」が原則と言われる理由と今できる準備
まとめ
実家 転倒予防の5ステップをご紹介しました。
- 親の「困りごと」を聞く
- 家の中の動線を一緒に歩いてみる
- 「置くだけ・敷くだけ」の小さな対策から始める
- 床の上の「つまずきの芽」を片付ける
- 手すり・住宅改修は専門家に相談してから
ポイントは、対策の前に「親の暮らしを知ること」です。
センサーライトや滑り止めマットのような小さな一歩なら、親の気持ちを傷つけずに始められます。
そして本格的な住宅改修は、地域包括支援センターなどの専門家と一緒に。
今度の帰省で、まずは親と一緒に家の中を歩いてみませんか。

先回りより寄り添い。転倒予防は「一緒に」が合言葉ね
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