検定の申し込みページを開いて、「あれ、日にちを自分で決めるの?」と手が止まりました。
FP3級 CBT試験は、決められた試験日に全員で受けるのではなく、自分で会場と日時を予約してパソコンで受ける方式です。
結論から言うと、この方式は50代のわたしにとって、とてもありがたいものでした。
理由は、勉強の進み具合を見ながら「あと1週間ほしい」を自分で選べたからです。
職業訓練で3つ目の検定として受けたFP3級。学科54点・実技80点で合格できました。
これから受ける方のために、申し込みから当日の流れ、つまずいたところまで、正直に残しておきます。

自分で試験日を決められるって、聞くと自由だけど、決めるのはちょっと勇気がいりますよね
FP3級を受けようと思ったきっかけ
自分から「FPを取ろう」と思い立ったわけではありませんでした。
いま通っている職業訓練にFPの授業があり、授業が終わったら検定を受ける、という流れになっていたからです。
半年間の訓練の中で、今回が3つ目の検定になります。
ただ、受けるか受けないかは自由に選べました。
それでもわたしが毎回チャレンジすると決めているのには、理由があります。
せっかく学んだのだから、「勉強した」という証を形に残しておきたかったからです。
授業を受けただけだと、時間が経つと自分でも「本当に身についたのかな」とあいまいになってしまいます。
検定という区切りがあると、そこまでは必ずやりきることになります。
FP3級のCBT試験は、申し込みの自由度が高い
CBTは Computer Based Testing の略で、パソコンで受ける試験のことです。
FP3級は2024年度から、このCBT方式に完全に移行しました。
わたしはこれまでWord検定もウェブクリエイター検定も、訓練校の教室で全員一緒に受けてきたので、自分で会場を予約するのは初めてでした。
学科と実技は、別々に予約できる
FP3級には「学科」と「実技」の2つがあります。
学科が90分、実技が60分です。
この2つは、どちらを先に受けてもよく、別の日に分けて受けることもできます。
同じ訓練校の方でも、授業が終わった夕方に1つ受けて、また別の日にもう1つ、という受け方をしている人がいました。
わたしは試験会場が自宅から少し遠かったので、同じ日に2つとも終わらせる予約にしました。
「あと1週間ほしい」を自分で選べた
これがCBTのいちばんのメリットだと感じたところです。
授業の内容が難しくて理解しきれていない自覚があったので、土日に勉強してから受けたいと思いました。
そこで、いちばん早く受けられる日から1週間ほど後ろにずらして予約しました。
その1週間で実際どれだけ勉強できたかというと、正直あやしいところもあります。
それでも、わたしにとっては必要な時間でした。
日程を人に決められていたら、この調整はできませんでした。
予約の変更・キャンセルは3日前まで
予約したあとの変更やキャンセルは、受検日の3日前まで可能です。
2日前になると、変更もキャンセルも一切できなくなります。
なお、個人で申し込んだ場合、入金後のキャンセルには手数料がかかります(受検手数料8,000円の場合、1,100円・税込)。
わたしは訓練校を通した団体申し込みだったので、キャンセルの扱いが個人申し込みとは違うと説明を受けました。
団体で申し込む場合のルールは学校によって異なる可能性があるので、訓練校の先生に確認してみてください。
⚠️ 2026年4月1日申込分から、受検日時・会場を変更できる期間が「最長1年」から「最長4か月(120日)」に短縮されています。予約を先に取る場合はご注意ください。

先に予約を取っておくと勉強のお尻が決まるので、それはそれで良さそうですね
当日の持ち物と、会場の様子
ここがいちばん、事前に知っておきたかったところです。
持ち込めるものが、かなり限られている
荷物はロッカーに預けます。
試験室に持って入れたのは、この3つだけでした。
- マイナンバーカード(本人確認書類)
- ロッカーの鍵
- 受付で渡された書類一式
腕時計も外します。ポケットの中や手のひらに何か書いていないか、というチェックもありました。
携帯電話はロッカーですが、電源を完全に切るよう言われました。
飲み物は、透明でラベルをはがしたペットボトルの水だけ持ち込めました。
色のついた飲み物はだめです。
わたしは緊張すると喉が渇いて咳が出やすいので、周りの方に迷惑をかけないように水を持ち込みました。
メモ用紙とボールペンは会場で渡されます。
こちらは試験のあと回収されるので、持ち帰りはできません。
なお、受験番号のようなものは特に必要ありませんでした。
申し込みのときに届いたメールに、会場の地図・持ち物・キャンセル期限がすべて書かれていたので、当日まで消さずに保存しておきました。
⚠️電卓は持ち込めません
これは知らないと当日あわてます。
FPのCBT試験では、自分の電卓を持ち込むことができません。
パソコンの画面に電卓が表示されるので、それをマウスでクリックして計算します。
正直、これがいちばん手間でした。
指で叩くスピードでは押せないので、押し間違いに気をつける必要があります。
そして、画面の電卓には「%」ボタンがありません。
普段パーセントのボタンに頼っていたわたしには、ここが地味につらいところでした。
計算に時間がかかることを前提に、時間配分を考えておくといいと思います。
会場は「個人塾」のような雰囲気
学科と実技は、同じ会場の中の別の部屋でした。
学科の部屋は、壁に向かってパソコンが並んでいて、隣との間に仕切りがありました。
隣の人の様子は見えず、音だけが聞こえる感じです。
実技の部屋は、前方に向かってみんな同じ向きに並んでいました。
こちらも仕切りはあったと思いますが、斜め前の方の姿は見える程度でした。
わたしが入ったときにはすでに大勢の方が受けていましたが、おそらくFP以外の検定を受けている人も混ざっているのだと思います。
終了ボタンを押すと、その場で点数が出る
CBTならではだと思ったのが、ここです。
時間内でも「解き終わった」と思ったら、終了ボタンを押してその場で退席できます。
そして終了ボタンを押すと、その場で画面に何問正解したかが表示されます。
その結果を印刷して持ち帰る形になります。
FP3級の合格ラインは、学科が60点満点中36点以上、実技が100点満点中60点以上です。
この数字を頭に入れておけば、会場を出る時点で「受かったな」とわかります。
わたしの結果は、学科が60点中54点、実技が100点中80点でした。
ぎりぎりではなかったので、勉強した時間が数字に表れたようで、うれしくなりました。
実は、解いている最中の気持ちのほうが強く残っています。
「ここで落ちたら、また勉強し直してもう一度受けることになる」と思ったら、今日出せる力は全部出しきろう、という気持ちになりました。
だから結果を見たときは、うれしいより先に、ほっとしました。
予約時間の組み立てで迷ったこと
同じ日に2つ受ける場合、時間の詰め方に少し悩みます。
早く解き終われば次に進めるので、間を詰めて予約することもできます。
ただ、自分がどのくらいのペースで解けるのか、予約の時点ではわかりません。
わたしは学科90分のあと15分ほど空けて、実技を予約しました。
結果として学科は30分ほど余り、受付の方から「早めに実技を始めることもできますよ」と声をかけていただきました。
でも学科が思いのほか難しかったので、待ち時間にもう少し勉強したいと思い、予約どおりの時間で受けました。
余裕をもたせておいてよかったと思います。
学科と実技、落ちるのはどちらか片方かもしれない
もし片方だけ落ちてしまっても、受かったほうは免除されます。
次回は落ちた科目だけ、その分の受験料(4,000円)を払って受け直す形になります。
免除には期限があり、合格した試験実施日の翌々年度末までです。
受験料は学科4,000円・実技4,000円で、2つ受けると8,000円でした。
50代のわたしがやった勉強法
お金をかけずに、あるものでなんとかしたい。それがわたしの前提でした。
「2週間」の前提について
先に正直に書いておきます。
わたしの2週間は、職業訓練でFPの授業をひととおり受けたあとの2週間です。
授業の受講期間が終わってから、いつ受けてもよいことになっていたので、そこから自宅で検定対策をした期間が2週間でした。
授業を受けた1か月ほどの土台があったうえでの2週間なので、まったくの独学で始める方とは前提が違います。
同じように訓練校や講座で学んでから受ける方には、参考になると思います。
授業で使ったものだけで足りました
新しく教材を買い足すことはしませんでした。
授業ではTACの教材を使っていて、その教材にはウェブ上で予想問題が解ける仕組みがついていました。
本番と同じように画面に時間が表示されて、クリックで答えていく形式です。
これを中心に解きました。
あとは、先生が検定対策として授業中に用意してくださった問題を、何度も繰り返し解きました。
これだけです。
新しい教材を買わなくても、いま手元にあるものをやりきれば足りる。
そう思えたのは、あとから振り返っての実感です。
通勤中とお風呂でYouTube
机に向かえる時間は、自宅で1時間取れるか取れないか、というところでした。
そのかわり、通勤中・朝の身支度中・お風呂の中は、ずっとYouTubeの解説動画を聞いていました。
わかりにくいところは、何度も繰り返し見ました。
見ていたのは「ほんださん / 東大式FPチャンネル」です。
この方の動画を選んだ決め手は、法改正のたびに情報を新しく更新されていたことです。
FPは制度の数字を扱うので、古い情報で覚えてしまうとそのまま失点につながります。
そして解説が、初めての人にもわかりやすいものでした。
「なぜこうなるのか」を理解すれば暗記だけに頼らなくてよくなる、といつも動画の中で話されていて、実際にそのとおりでした。
どうしても暗記するしかないところは、語呂合わせも教えてくださって助かりました。
まわりの人にもすすめたくらい、良い動画でした。
順番は「問題を解いてから動画を見る」がよかった
これは自分でやってみて気づいたことです。
先に問題を解いておくと、動画を見たときに「あ、ここはさっきの問題の解説だ」とつながります。
そのほうが、すっと頭に入ってきました。
とにかく問題を解いているうちに覚えてしまうことも、思ったより多かったです。
これから教材を買う方へ
わたしは職業訓練の教材があったので買い足しませんでしたが、これから独学で始める方は事情が違うと思います。
先ほどのほんださんは、YouTubeの内容と連動した書籍も出されています(「FP3級 合格のトリセツ」シリーズ)。
動画の中で「出ない問題を一生懸命解いてもしょうがない」とよく話されていて、載せる問題を厳選しているとのことでした。
合格することが目的なら、動画と教材の内容がつながっているほうが迷いません。
わたし自身は使っていないので中身の感想は書けませんが、これから選ぶ方の候補にはなると思います。
過去問は「やりすぎない」ほうがいいかもしれません
日本FP協会のサイトで過去問が公開されています。
ただ、2026年にも法改正で変わったところがいくつかあるので、古い年度をやりすぎるのは注意が必要だと先生も言っていました。
どんな問題が出るのかという傾向をつかむ、という使い方がよさそうです。
⚠️ 2026年6月〜2027年5月に実施される試験の法令基準日は、2026年4月1日です。教材や過去問がこの基準に対応しているか確認してください。
苦手だったのは「タックス」でした
いちばん苦戦したのが、税金(タックス)の分野です。相続も苦手でした。
税金の話は他の分野にも出てくるのに、なぜここだけ独立しているんだろう、と授業中は思っていました。
そこに気づけるほど理解できていなかったのだと思います。
逆に、実技のほうが自分には合っていたようで、こちらは80点取れました。
学科は「そこを出しますか」と言いたくなるような問題もあって、暗記だけでは太刀打ちできないと感じる場面が多かったです。
数字が覚えられない
50代で受けてみて、いちばん大変だったのはこれです。
2,000万、3,000万、3分の2──とにかく数字がたくさん出てきて、混乱しました。
試験中も「さっき見て落としたところじゃない」と思う場面がありました。
記憶力の低下は正直に感じましたが、それでも合格はできました。

数字が覚えられないのは年齢のせいだけじゃなくて、量が多いんですよね
合格したら更新は必要?──ここは勘違いしやすいところ
わたし自身、「FP3級は2年で失効するらしい」と思い込んでいました。
調べ直したところ、これは正確ではありませんでした。
FP技能士(3級・2級)は国家資格で、一度合格すれば更新は不要、生涯有効です。
2年ごとの更新が必要なのは、「AFP」という日本FP協会の民間資格のほうです。
AFPは2級に合格したうえで認定研修を修了すると認定される資格で、こちらは継続教育を受けて更新していく仕組みになっています。
「2級まで取っておくと次につながる」という話は、このAFPのことを指していたのだと思います。
3級に合格した時点では、更新の心配をする必要はありません。
FP3級で食べていけるのか、という話
正直に書きます。
FP3級を持っているからといって、それだけで収入につながるかというと、難しいと思います。
先日書いた保険見直しの記事でも触れましたが、「無料で相談に乗ります」というファイナンシャルプランナーの方をよく見かけます。
資格は持っていても、それだけでは仕事にならないので、保険の販売と組み合わせている方が多いのだと思います。
保険を見直したときの話は、保険見直し 50代で月1万円減も!相談前にできる3ステップの記事でも詳しく紹介しています。
だからこの資格は、仕事のためというより、自分と家族のために持つものだと感じました。
暮らしですぐ役に立った知識
学んでよかったと思う場面は、たくさんありました。
社会保障は、思っていたよりずっと手厚い
高い保険料を払って、将来ちゃんと年金がもらえるのだろうか。
正直、そんなふうに文句を言いがちでした。
でも仕組みを知ってみると、日本の社会保障はとてもよくできた制度だと思うようになりました。
年金だけの話ではありません。
ただし、知らないと損をします。
使える制度があっても、誰かがわざわざ教えてくれるわけではないからです。
知識があると、「こういうときに使える保障があったはず」というフックが自分の中にできます。
息子にすぐ伝えた「付加年金」
息子が自営業なので、授業で付加年金(付加保険料)の話が出たときは、その場で伝えました。
国民年金に月400円を上乗せして納めると、将来受け取る年金が増える仕組みです。
受け取り始めてから2年で、納めた分の元が取れる計算になります。
自営業の方には知っておいてほしい制度です。
制度の詳しい内容や手続き方法は、付加保険料の納付(日本年金機構)のページでご確認ください。
わが家の保険が、社会保障と重なっていた
これがいちばん大きな気づきでした。
わたしは退職後に、わが家の保険を見直しています。
FPの勉強をして改めてわかったのは、民間の保険でかけていた保障が、社会保障ですでにカバーされている部分とかなり重なっていたことです。
ただ不安だから、という理由で入っていた生命保険。
知識がなかったことで、無駄になっていた部分があったのだと実感しました。
これから受ける方へ
いちばん伝えたいのは、この資格は自分と家族のためのものだということです。
仕事に直結する資格を探している方には、3級だけでは物足りないかもしれません。
でも、税金・保険・年金・相続・不動産と、暮らしに必要な知識がひととおり詰まっています。
自分に関係のない分野に見えても、家族や周りの人の役に立つ場面が必ずあります。
そして、CBT方式は50代の学び直しと相性がいいと思いました。
自分のペースで日程を決められるので、「準備ができてから受ける」ができます。
まとめ
FP3級をCBT方式で受けてきた記録をまとめました。
- 学科90分・実技60分。別々の日に受けてもよく、順番も自由
- 予約の変更・キャンセルは受検日の3日前まで
- 電卓は持ち込めない。画面上の電卓を使い、「%」ボタンはない
- 持ち込めるのは本人確認書類・ロッカーの鍵・渡された書類・透明ボトルの水のみ
- 終了ボタンを押すと、その場で点数が出る
- 合格ラインは学科36点/実技60点
- 受験料は学科・実技それぞれ4,000円
- FP技能士は更新不要・生涯有効(2年更新はAFPのほう)
机に向かえたのは1日1時間ほど、期間は2週間でした。
それでも、通勤中やお風呂でYouTubeを聞き続けたことが効いたのだと思います。
50代で、数字は覚えにくくなっています。
それでも受かりました。

学んだ証を残しておくと、次にすすむときの自信になりますね
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