仕事を辞めると決めてから、「もっと早く確認しておけばよかった」と思うことが、いくつもありました。
退職前 確認 やることを先にリストにしておくと、あとで慌てません。確かめておきたいのは、退職金・就業規則・給料の仕組みです。どれも働いているうちは意識しませんが、辞めるとなった途端に関わってきます。
そして調べてみて分かったのは、会社に聞きにくいと思っていたことの多くが、そもそも聞かなくても見られるものだったということでした。
この記事では、退職前に確認しておきたい6つをリストにまとめ、そのうえで、私が実際に見落として後悔したことをお話しします。

今日は退職前に確かめておきたいことのお話よ。聞きにくいと思っていたことが、実は聞かなくてよかったの。
退職前 確認 やることリスト6つ
先に、リストだけまとめます。どれも辞めると決めてからでは遅いものです。
- ① 就業規則を見せてもらう — 会社には見せる義務があります
- ② 退職金があるかどうかを確かめる — 就業規則に書いてあります
- ③ 自分の時給を計算してみる — 月給でも最低賃金を下回ることがあります
- ④ 離職票が要ると伝えておく — 失業保険の手続きに必要です
- ⑤ 健康保険をどうするか決めておく — 退職日の翌日から保険証がありません
- ⑥ 昼休みが本当に休めているかを見直す — 電話番をしている昼休みは、休憩ではありません
まずは①と②からです。この2つは、同じ「就業規則」を一度見るだけで両方すみます。
① 就業規則は「見せてください」と言っていい
いちばんお伝えしたいのが、これです。
就業規則は、従業員が見たいときにいつでも見られる状態にしておくよう、会社に義務づけられています。労働基準法106条で決まっていることです。
周知のしかたも決まっていて、次の3つのどれかです。
- 作業場の見やすい場所に掲示するか、備え付ける
- 書面で交付する
- パソコンなどで確認できるようにデータで置く
つまり「見せてください」とお願いするのは、特別なことではありません。むしろ、見られる状態にしておくのが会社の側の義務です。
私は「今さら聞いてもいいのかな」「辞めるつもりだと思われないかな」と気にしていました。でもそこを気にする必要はなかったんです。
② 退職金があるかどうかも、就業規則に書いてあります
私は長く働いていたこともあり、なんとなく「退職金はあるもの」と思っていました。
でも就業規則を確認していなかったので、制度がどうなっているのかを知らないままでした。いざ退職することになって調べて、初めて「退職金はない」と知りました。
ここも、就業規則を見れば分かったことです。
退職金は、制度として設けているなら就業規則に書かなければならないと決められています(相対的必要記載事項といいます)。かんたんに言うと、制度があるなら必ず書いてあるし、書いていないなら制度がないということです。
だから就業規則を一度見れば、退職金があるかないかはその場で分かります。
なお、退職金の規程は就業規則とは別の冊子になっていることもあります。その場合も就業規則の一部として扱われるので、あわせて見せてもらえます。

退職金があると思い込んでいたのよね。一度見ておけばよかったわ。
③ 月給でも、最低賃金を下回ることがあります
退職を考えるきっかけの一つが、お給料の計算でした。
あるとき「自分の給料を時間で割ったらどうなるんだろう」と思い、計算してみたことがあります。私は月給制で、勤務時間は基本8時間。ただ、実際には休憩がきっちり取れない日もありました。お店を一人で任されている時間もあり、その間は外に出ることもできませんでした。
計算してみると「これって最低賃金より低いのでは?」という数字になり、正直かなり驚きました。
計算のしかた
月給制の人が確かめる式は、これだけです。
月給 ÷ 1か月の平均所定労働時間 = 自分の時給
1か月の平均所定労働時間は、こう出します。
1日の所定労働時間 × 年間の所定労働日数 ÷ 12
たとえば1日8時間、年間250日なら、8×250÷12で約166.7時間。月給が20万円なら、20万円÷166.7時間で約1,200円が自分の時給です。
計算に入れない手当があります
ここが大事なところです。もらっている額を全部足して割るのではありません。
次のものは、最低賃金の計算から外します。
- 通勤手当
- 家族手当
- 精皆勤手当
- 残業・休日・深夜の割増分
- 賞与など、1か月を超える期間ごとに支払われるもの
- 臨時に支払われるもの
つまり、手取りの見た目より低い数字が出ることがあります。
会社に確認したら「法律上は問題ない」と言われました
その後、会社に確認したところ、歩合給なども含めた計算になっているので、法律的には問題ないという説明でした。
これは調べてみると、そのとおりでした。計算から外すものは決まっていて、歩合給はそこに入っていません。だから歩合給を含めて計算するのは正しいやり方です。
ただ、そのときに聞いた話の中で、最低賃金が上がった場合は「勤務時間を調整して対応する」ということも知りました。
その話を聞いたとき、「どれだけ頑張っても最低賃金ギリギリの働き方なんだな」と感じてしまい、少しモヤモヤした気持ちが残りました。法律の話と、納得できるかどうかは別だったということです。
2026年10月から、最低賃金が順次上がります
この話は、今まさに関係があります。
2026年度の最低賃金は、10月1日から12月2日にかけて順次上がります。全国の加重平均は1,177円で、前の年から56円の引き上げです。改定は年に1回で、発効する日が都道府県ごとに違うだけなので、お住まいの地域の日付を確かめてください。
上がった直後は、自分の時給を計算し直してみるいい機会です。私が言われたように「勤務時間を調整して対応する」という会社もあります。
「今さら聞きにくい」と感じたときは
ここまでの3つは、どれも会社に確かめることでした。
とはいえ、「今さら聞いてもいいのかな」「辞めるつもりだと思われないかな」と感じることはあります。私もそうでした。
ただ、就業規則については聞く必要すらありません。見られる状態にしておくのが会社の義務だからです。「就業規則はどこで見られますか」と場所を尋ねるだけで済みます。
給料の仕組みについて聞きたいときは、「辞めたい」ではなく「制度を知りたい」という形で聞くと切り出しやすくなります。
- 給料の計算方法を知りたい
- 手当がどういう仕組みになっているか知りたい
自分が働くうえで大切なことなので、遠慮しすぎる必要はありません。
④ 離職票が要ると、先に伝えておく
失業保険の手続きには離職票が必要です。退職するときに「離職票をください」と伝えておくと、あとがスムーズです。
届いてからやることや、届かないときの対処法は、離職票 届いたら すぐやること|届かない場合の対処法とハローワーク手続き【体験談】の記事にまとめました。
退職前にハローワークへ行っておくと分かることもあります。私が行ってみて分かったことは、ハローワーク 退職前に行くべき3つの理由【いつから行けばいい?体験談】の記事に書いています。
⑤ 健康保険をどうするかを、先に決めておく
退職日の翌日から、会社の健康保険は使えなくなります。行き先は大きく3つです。
- 家族の扶養に入る
- 任意継続(今の健康保険を最大2年続ける)
- 国民健康保険
失業保険をもらうなら、扶養は選べないことがあります
ここは見落としやすいところです。
失業保険を受け取っている間は、家族の扶養に入れないことがあります。収入があるとみなされるからです。
線引きははっきりしています。失業給付の基本手当日額が3,612円以上になると、扶養から外れます(年収130万円を日割りした金額です)。60歳以上の方は、日額5,000円以上が線になります(こちらは180万円が基準)。
つまり、いったん扶養に入っても、給付が始まったら抜ける手続きが必要になるということです。
私自身は、退職後に配偶者の扶養に入りました。すぐ次の仕事を決めるのではなく、生活を見直す時間をつくりたかったからです。
ただ、失業給付をもらうと扶養から外れることがあると知ったのは、あとになってからでした。先に知っていれば、もう少し落ち着いて考えられたと思います。
失業保険を受け取る予定があるなら、任意継続と国民健康保険も先に比べておくと慌てずにすみます。
選択肢の比べ方と、私が実際に選んだ道は、退職後 健康保険はどうする?扶養に入るまでにやったこと【体験談】の記事にまとめました。
退職日を月末にするか月中にするかで、社会保険料の引かれ方が変わります。こちらは退職日 社会保険料の仕組みと月末・月中どちらがお得か【体験談】の記事で詳しく書いています。

辞めると決めてからバタバタするより、先に決めておくほうがラクなのよね。
⑥ 昼休みに電話番をしていた時間は、休憩ではありません
これは、辞めたあとに知ったことです。働いていた何年もの間、まったく知りませんでした。
いま職業訓練に通っていて、給与計算の授業があります。お金まわりの勉強をしていると、社会保険料や就業規則の話が何度も出てきます。そこで教わって、初めて気づきました。
私は月給制で勤務時間は基本8時間でしたが、休憩がきっちり取れない日がありました。お店を一人で任されている時間は、外に出ることもできません。電話が鳴るかもしれない、お客様が来るかもしれない。そういう状態で昼休みを過ごしていました。
あれは休憩ではなかったんです。
「手待ち時間」という呼び名があります
作業はしていないけれど、会社から待機を義務づけられている時間のことを、手待ち時間といいます。
そして手待ち時間は休憩にはあたりません。労働時間です。
労働基準法では、休憩について3つの原則が決められています。
- 労働時間の途中に与えること
- 一斉に与えること
- 労働者が自由に利用できること
3つめが大事です。自由に使えないなら、それは休憩ではありません。
労働局の説明にも、接客の例が出てきます。実際にお客様の対応をした時間だけでなく、対応のために待機している時間も労働時間に含まれる、と書かれています。
つまり、本来は給料が発生する時間でした
電話番や留守番で拘束されていた昼休みは、本来は賃金を払うべき時間だったということになります。
私は知らなかったので、言われるがままに留守番をしていました。知らないと、働く側が不利になる——これを身をもって知りました。
だからこそ、学んだことは書き残しておきたいと思っています。同じように、知らないまま昼休みを差し出している人がいるかもしれないからです。
自分の昼休みを思い出してみてください。
- 電話が鳴ったら出ることになっている
- お客様が来たら対応することになっている
- 職場から離れてはいけないことになっている
ひとつでも当てはまるなら、その時間は休憩ではない可能性があります。

自由に使えないなら休憩じゃないのね。知らないままだったわ。
まとめ
退職前 確認 やることを、もう一度まとめます。
- 就業規則は見せてもらえる。会社には見られる状態にしておく義務がある(労働基準法106条)
- 退職金があるかどうかも就業規則に書いてある。制度があるなら必ず記載されている
- 自分の時給は「月給 ÷ 1か月平均所定労働時間」で出る。通勤手当・家族手当・精皆勤手当・残業代などは計算から外す
- 2026年10月から最低賃金が順次上がる。全国平均は1,177円
- 離職票が要ると先に伝えておく
- 健康保険をどうするかを先に決めておく。失業保険をもらうなら、日額3,612円以上で扶養から外れる
- 昼休みに電話番をしているなら、それは休憩ではない。手待ち時間は労働時間
働いているときは、毎日の仕事に追われて、就業規則や給料の仕組みをゆっくり確認する機会がありません。でも辞めるとなってから調べると、「もっと早く知っておけばよかった」と思うことばかりでした。
もし今も働いている方がこれを読んでくださっているなら、辞めるかどうかを決める前に、一度だけ就業規則を開いてみてください。

見せてくださいって言っていいのよ。それが分かるだけでも、ずいぶん気が楽になるわね。
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