「スクラブ洗顔って、毛穴の汚れを取ってくれるんじゃないの?」
そう思って使っていた時期が、私にもありました。
10年以上前の話です。
スクラブ入りのチューブ洗顔を、朝も晩も毎日使っていました。
使うたびにさっぱりして、毛穴がきれいになっている気がしていた。
でも今は使っていません。
スクラブ洗顔 毛穴ケアに与える影響について、肌の仕組みを学んでから、自然と手放していました。
今日はその理由を、体験談もまじえてお伝えします。

美容の仕事をしていた頃、スクラブ洗顔について質問を受けることがよくありました。自分の体験と合わせて、改めて整理してみようと思います。
スクラブ洗顔って何をしているの?
スクラブ洗顔とは、細かい粒子(スクラブ)が入った洗顔料で肌をこすり、古い角質や毛穴の汚れを物理的に取り除くものです。
使うとすぐに「つるっとした感触」が得られるので、効果が出ているように感じやすいんです。
酵素洗顔とどう違うの?
先日の記事で酵素洗顔についてお伝えしましたが、スクラブとの大きな違いは「取り除き方」です。
酵素洗顔は酵素の力で角質を分解するのに対し、スクラブ洗顔は粒子で物理的にこすって削るタイプ。
こすって削るという動作が、肌にとって大きな負担になることがあります。
肌を守っている「角質」の話
スクラブで削られているのは、汚れだけではありません。
肌の表面には外の刺激から守るための「角質層」があります。
紫外線、乾燥、ほこり、雑菌。さまざまな刺激から肌を守っている、いわば”肌の盾”です。
スクラブで強くこすると、この角質層ごと削り取ってしまうことがあります。
使った直後はつるんとした感触があっても、繰り返すうちに肌が薄くなり、バリア機能が落ちていく。
乾燥や赤み、ヒリつきが出てきたとしたら、それはSOSのサインかもしれません。

削ってすっきりしている間に、大事なものまで一緒に取れていたんですね。それを知った時、ちょっとゾッとしました。
私が毎日スクラブ洗顔をしていた頃の話
実は私、子供の頃からアトピーの症状が出やすい体質でした。
当時はそれがアトピーだとは知らなかったのですが、後から美容の勉強をして気づいたことです。
大人になるにつれて大きな症状は落ち着いてきたのですが、それでも乾燥しやすく、少しの刺激で赤みが出やすい肌が続いていました。
「もともと敏感肌だから」と思っていました。
そんな状態だったにもかかわらず、スクラブ入り洗顔料を朝晩毎日使い続けていたんです。
当時は何も知らなかったから。さっぱりする感触が「きれいになっている」証拠だと思っていたから。
後から美容の仕事で勉強して分かったのですが、あの頃の私は自分のスキンケアで、さらに敏感肌を作り上げていたんですよね。
美容の仕事で学んで気になったのは、ファンデーションとの関係です。
肌の表面には「キメ」と呼ばれる細かい凹凸があります。
この凹凸があることで、ファンデーションが肌にしっかり密着して崩れにくくなります。
現場では「ファンデーションが崩れやすい方は、キメが乱れていることが多い」とよく言われていました。
スクラブで角質を削り続けると、このキメごと失われてしまうことがあります。
「崩れやすいから」と下地を足す前に、まずキメを整える方が先、ということなんですよね。
また、キメが整っていると皮脂が肌全体に均一に行き渡りやすくなります。
部分的にてかる・部分的に乾くという「混合肌」の悩みも、スキンケアの刺激が原因のひとつになっていることがあります。
「後天的敏感肌」という考え方
美容の仕事をしていて気になっていたことがあります。
「私、敏感肌なんです」とおっしゃるお客様がとても多かったこと。
でも話を聞いていると、生まれつきではなく、日常のケアが原因になっているケースが少なくないんです。
スクラブ洗顔、強い洗浄力の洗顔料、力を入れすぎるクレンジング。
肌への刺激が積み重なって、バリア機能が落ちて、結果的に敏感肌になっていく。
これを「後天的敏感肌」と表現することがあります。
体質ではなく、ケアで変えていける可能性がある。そう知ったとき、私は自分のケアを一度見直しました。
なぜスクラブ洗顔は今も売られているのか
なぜ肌に負担をかけるスクラブ洗顔が、今も当たり前に売られているのか。
理由は単純で、売れるから作られる、ただそれだけなんです。
「こすってすっきり」「毛穴がきれいになった感」という即効感は、消費者にとって分かりやすくて魅力的。
でも使い続けた先の肌のことは、残念ながら商品の説明書きには載っていません。
美容の現場を長く見てきた私には、そこがずっと引っかかっています。
「安くて手軽で、すぐに効果を感じられる」という感触は、確かにあります。だから悪いとも言い切れない。
でも、使い続けることのリスクは知っておいてほしいと思っています。
50代の肌は、即効感より「積み重ね」が大事な時期です。
スクラブより先にすること
毛穴が気になるとき、私が今いちばん大切にしているのは「保湿」です。
肌がしっかり潤っていると、ターンオーバー(肌の生まれ変わり)が整い、古い角質が自然に剥がれやすくなります。
こすって無理やり取り除かなくても、保湿でバリア機能を整えることで肌が自分でケアできる状態に近づいていくのです。
私は今、全身を毎日保湿することを続けています。
アトピー体質は変わらないけれど、ケアで症状を抑えることはできる。十数年間、そう実感しながら続けています。
小鼻のザラザラと保湿の関係については、こちらの記事で詳しくお伝えしています。
→ 小鼻のザラザラは保湿不足かも?50代が夏に知っておきたい毛穴ケアの基本
まとめ
スクラブ洗顔は使った直後の「つるんとした感触」が魅力ですが、毎日続けることで肌のバリア機能を削ってしまうことがあります。
特に乾燥しやすい方、赤みが出やすい方には慎重になってほしいと思っています。
肌を守るためにできることは、実はシンプルです。
こすらない。保湿する。それを毎日続けること。
50代の肌は、足し算より引き算のほうが整いやすいと、私は感じています。

シンプルなケアほど、肌への負担が少ない。遠回りに見えて、一番の近道だと思っています。
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