「AHA・BHAって、最近よく目にするけど何のこと?」
そう思っている方、実は多いのではないでしょうか。
韓国コスメのボトルや、ドラッグストアのピーリング商品に書いてある英字。
美容の仕事をしていた私でさえ、この成分をきちんと意識して使ったことがありませんでした。
肌の仕組みを知っていれば、何が流行っても原理原則は変わらない。だから使ってみようという気にもならなかったんですよね。
今日は、AHA BHA 毛穴の本当の関係について、元美容職として正直にお伝えします。

美容の仕事をしていた頃、「ケミカルピーリング」に興味を持つお客様はいらっしゃいました。でもAHA・BHAという成分そのものについて質問されたことは、一度もなかったんです。それほど、一般的にはまだ浸透していない言葉なのかもしれません。
AHA・BHAってそもそも何?
AHAとBHAは、どちらも「肌の古い角質に働きかける成分」です。
スクラブのように粒で「こすって剥がす」のではなく、化学的に溶かすタイプの角質ケアです。
「ケミカルピーリング」と呼ばれる施術にも使われており、美容クリニックやエステでもよく登場します。
AHAとBHAの違いは?
働きかける場所が少し違います。
AHA(グリコール酸・乳酸など)
→ 角質と角質をつなぐ結びつきを溶かして、肌表面の古い角質を剥がす
BHA(サリチル酸)
→ 油に溶ける性質を利用して、毛穴まわりの皮脂や角栓に働きかける
どちらも「溶かして除去する」という点では同じです。
実は化粧水にも入っていることがある
AHA・BHAは、ピーリング専用の商品だけに含まれているわけではありません。
ドラッグストアで普通に売られている化粧水や美容液の成分表に、「グリコール酸」「乳酸」「サリチル酸」と書いてあれば、それがAHA・BHAです。
意識せずに使っていた可能性があるので、気になる方は成分表を確認してみてください。
「毛穴の奥まで届く」は本当?
ここが、私がずっと気になっていた部分です。
肌の一番外側には「角質層」があります。
ティッシュペーパーの2枚重ねのうちの、たった1枚分ほどの薄さ。
そしてその角質層のすぐ下に、「顆粒層」と呼ばれる層があります。
ここに「ウォーターバリア」とも呼ばれるバリアゾーンが存在しています。
このバリアゾーンがあるおかげで、外からの異物が肌の奥に侵入しにくく、肌の中の水分が外に逃げにくい構造になっています。
BHAが「油に溶けて毛穴に浸透する」とされていても、このウォーターバリアが壁となって、化粧品成分が深部へ届くことはほぼできません。
毛穴は皮膚の深いところまで続いていますが、化粧品レベルで奥まで届けることは、美容機器やクリニックの特殊な施術なしには難しいんです。
「届いている感触」と「実際に届いているかどうか」は、別の話なんですよね。

「毛穴の奥まで」という言葉は、聞くと効きそうな気がします。でも肌にはしっかりとバリアがあって、それは外からも内からも守ってくれている機能なんです。
角質を溶かすことのリスク
AHA・BHAは「古い角質に働く」と説明されます。
でも肌は、古い角質だけを選んで溶かすことはできません。
必要な角質まで一緒に溶かしてしまうことで、バリア機能を弱めてしまう可能性があります。
スクラブが「こすって削りすぎる」リスクがあるように、AHA・BHAも溶かしすぎるリスクがあります。
肌への刺激が積み重なると、バリア機能が落ちて角質がどんどん薄くなっていきます。
「一生懸命ケアしているのに、なんだか肌が敏感になってきた」と感じたとしたら、ケアそのものが原因になっていることもあります。
韓国コスメが悪いということではなく
韓国コスメのAHA・BHA製品が広まったのは、効果を実感した人がいるからでもあります。
でも、刺激の感じ方は肌の状態によって全然違います。
もともと皮脂が多めの20〜30代と、乾燥しやすくなった50代では、同じ成分でも肌への影響が異なります。
「流行っているから」「SNSでよく見るから」という理由だけで選ぶのは、少し立ち止まってほしいと思っています。
50代の毛穴ケアに必要なのは
毛穴が気になるとき、私が今いちばん大切にしているのは「保湿」です。
肌がしっかり潤っていると、角質のターンオーバーが自然に整い、毛穴も目立ちにくくなっていきます。
溶かして取り除こうとするより、バリア機能を守りながら整える方が、長い目で見て肌が安定しやすい。
50代の肌は、何かを足すより引く方が整いやすいと、私は感じています。
小鼻のザラザラと保湿の関係については、このシリーズの最初の記事で詳しくお伝えしています。
→ 小鼻のザラザラは保湿不足かも?50代が夏に知っておきたい毛穴ケアの基本
まとめ
AHA・BHAは、角質に働きかけるケア成分です。
「毛穴の奥まで届く」という表現には、化粧品レベルでは届かない部分への期待が含まれています。
角質を溶かすことで、必要なバリア機能まで弱めてしまうリスクもゼロではありません。
50代の肌に必要なのは、流行の成分を試し続けることではなく、自分の肌のバリアを守りながら、シンプルなケアを続けること。
知識があるだけで、惑わされなくなります。それだけで十分だと、私は思っています。

シンプルなケアほど、肌への負担が少ない。遠回りに見えて、一番の近道だと思っています。
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