先日、夫あてに今年のねんきん定期便が届きました。
夫は毎年ちゃんと目を通しているのですが、届くのは年に1回だけです。見方を毎回忘れてしまうようで、その日も朝から、はがきとにらめっこしていました。
ねんきん定期便 見方で迷ったら、50代のはがきで見るのは3か所だけで大丈夫です。
ただ、その3か所を読む前に、知っておきたい前提が2つあります。見込額は「60歳まで今と同じ働き方を続けたら」の数字だということ。そして、「払った保険料」の欄は、自分が払った分だけだということです。
この記事では、はがきの見るところと、この2つの前提、そして夫婦で見たときに感じたことをまとめます。

年に1回しか来ないから、見方を忘れて当たり前なのよ。今日は見るところを3つにしぼるわね。
ねんきん定期便 見方|50代のはがきで見るのは3か所だけ
ねんきん定期便は、毎年、誕生月に日本年金機構から届きます。
50歳以上の人に届くはがきには、将来受け取れる年金の見込額が載っています。50歳未満のはがきは「これまでの加入実績に応じた額」なので、50代になると中身が一段具体的になります。
たくさん数字が並んでいますが、見るのは次の3か所です。
① 老齢年金の見込額(年額)
いちばん気になるのが、ここだと思います。
書かれているのは、65歳から受け取れる1年分の金額です。月々の金額を知りたいときは、12で割ります。
見込額は2段に分かれています。
- 老齢基礎年金:国民年金の部分。会社員だった期間も、専業主婦で扶養に入っていた期間も、ここに入ります
- 老齢厚生年金:会社員として厚生年金に入っていた人の上乗せ部分
その下に、受け取り始める年齢を70歳・75歳まで遅らせた場合の見込額も載っています。70歳なら最大42%、75歳なら最大84%増えます。ここは「そういう数字も載っている」と知っておくくらいで十分です。
② 最近の月別状況
はがきの裏には、直近の1年ほどの加入状況が月ごとに載っています。
ここで見るのは、「未納」や「未加入」の月がないかです。
- 納付済:保険料を納めた月
- 3号:会社員や公務員の配偶者の扶養に入っている月
- 未納:国民年金の保険料を納めていない月
- 未加入:20歳から60歳の間で、どの年金にも入っていなかった月
会社を辞めた、扶養に入ったなど、働き方が変わった年は、とくにここを見ておきたいところです。手続きがもれていると、ここに出てきます。
気になる表示があったときは、はがきに書かれている「ねんきん定期便・ねんきんネット専用番号」に電話すれば確かめられます。
③ 受給資格期間
年金を受け取るには、原則として加入期間が120か月(10年)以上必要です。
長く会社勤めをしてきた人や、扶養に入っていた期間が長い人は、ほとんどが満たしています。満たしていない場合は、見込額の欄が「*」で表示されます。
日本年金機構「ねんきん定期便」(ハガキ)の見方(50歳以上の方)
見込額は「60歳まで、今と同じ働き方」の数字です
ここが、50代のはがきでいちばん大事なところです。
50歳以上60歳未満の人の見込額は、いま加入している年金に、60歳まで同じ条件で入り続けたと仮定した金額です。
つまり、これから働き方が変わると、この数字も変わります。
私は今年、会社を辞めて、いまは職業訓練に通っています。次の仕事は扶養の範囲で働く予定なので、夫の扶養に入ります。会社員のころは厚生年金に入っていましたが、扶養に入ると「3号」に変わります。
去年のはがきは、会社員の働き方が60歳まで続く前提で計算されていたことになります。次に私あてに届くはがきには、会社を辞めた変化が出てくるはずです。どう変わっているのか、今から少し楽しみにしています。
60歳を過ぎても働く人は、はがきの数字より増えることがある
反対に、60歳を過ぎても会社で働き続ける人は、はがきの数字には表れない分があります。
夫の会社には定年がありません。夫は65歳まで働くつもりなので、「はがきは60歳までの計算だけど、65歳まで厚生年金を払ったらどうなるんだろう」と気にしていました。
ここで知っておきたいのは、国民年金(基礎年金)の金額は、20歳から60歳までの40年間で決まるということです。60歳を過ぎて会社で厚生年金を払っても、基礎年金の部分は増えません。そのかわり、厚生年金の部分が増えます。
私はFPの勉強でこのしくみを知ったので、夫にもそう伝えました。
「何歳まで働いたら」は公的年金シミュレーターで試せる
「65歳まで働いたら、いくらになるか」を具体的に知りたいときは、厚生労働省の公的年金シミュレーターが使えます。
- はがきの二次元コードをスマホで読み取ると、計算に必要な項目の一部が自動で入る
- 60歳から70歳までの年収と、働き終える年齢を変えて試せる
- 受け取り始める年齢も、60歳から75歳の間で変えられる
- 入力した内容はサイトに残らない(画面を閉じると消える)
はがきの数字は「60歳まで」の1パターンだけです。何歳まで働くか、どのくらい稼ぐかを変えて何通りか試してみると、自分の家の数字に近づきます。

はがきの金額は、答えじゃなくて「今のままなら」の目安なのね。働き方が変わったら、数字も変わるのよ。
「払った保険料」の欄は、自分が払った分だけ
もうひとつ、はがきを見て気づいたことがあります。
はがきには「これまでの保険料納付額(累計額)」という欄があります。会社員だった人の場合、ここに載っているのは自分が給料から払った分だけです。
厚生年金の保険料は、会社と本人が半分ずつ払っています。会社も、本人と同じ額を別に払っているんです。でも、その会社の分ははがきの金額に入っていません。さらに、基礎年金の半分は国のお金(税金)でまかなわれています。
これは、FPの勉強をしていたときに先生が教えてくださったことです。ずっと気になっていたので、夫のはがきを実際に見て確かめてみました。本当に、自分が払った分だけが載っていました。
正直に言うと、少しもやっとしました。はがきに載っている「払った額」と「もらえる額」だけを並べると、払った分よりずいぶん多くもらえるように見えます。本当は会社も同じだけ払っているのに、その分は書かれていない。なんだか、ちょっとずるくない?と思ってしまいました。
もちろん、自分で払った金額は、はがきのとおりです。ただ、「払った額の何倍ももらえる」と早合点しないこと。これも、はがきを読むときの前提のひとつだと思います。
見方ガイドにも「事業主も別途同額を負担しています」と小さく書かれています。見方ガイドは日本年金機構のホームページで読めるので、気になる方は一度のぞいてみてください。
私が受けたFP3級の試験のことは、別の記事にまとめています。勉強したことが、こんなところで役に立ちました。
FP3級の受験については、FP3級 CBT試験を受けてきた!50代が2週間の勉強で合格した記録の記事で詳しく紹介しています。
夫婦で見ると、受け止め方が違いました
夫は、去年届いた私のはがきの金額を覚えていたようです。自分の見込額と足して、「ふたり合わせて、だいたいこのくらいだよ」と教えてくれました。
以前、ふたりの年金を合わせて月20万円くらいかな、と感覚で見積もったことがあります。60歳まで払い込んだとすると、それを上回る金額でした。
私は、それを聞いてほっとしました。でも夫は、少ないと感じたようです。
理由を考えてみると、わが家には、まだ家のローンが残っています。それを払いながら暮らすことを思うと、夫が安心できないのも分かる気がしました。家はやっぱり、わが家のいちばんの気がかりです。
同じ数字を見ても、受け止め方は人によって違います。ねんきん定期便は、夫婦で老後のお金の話を始めるきっかけにもなるんだと感じました。
夫婦で誕生月がずれていれば、届く時期もずれます。先に届いたほうのはがきを、ふたりで一緒に見る。それだけでも、話すきっかけになります。
年に1回しか見られない、わけではありません
私は、年金の記録は、はがきが届くまで見られないものだと思い込んでいました。でも調べてみると、日本年金機構の「ねんきんネット」に登録すれば、いつでも自分の記録を確かめられることが分かりました。
ねんきんネットで見られるのは、たとえば次のようなものです。
- 将来受け取る年金の見込額
- これまでの年金の記録(未納の月がないかなど)
- 電子版のねんきん定期便
- 年金の振込通知書などのお知らせ
年に1回では見方を忘れてしまう、という人ほど、気になったときにすぐ開けるのは心強いと思います。
実は、夫のはがきにも「ねんきんネットをぜひご利用ください」と書いてあり、登録に使うアクセスキーもそこに載っていました。見ているようで、見ていなかったんです。
ねんきんネットでは、電子版のねんきん定期便も見られます。郵送より1か月ほど早く確認でき、はがきの郵送を止める(ペーパーレス)登録もできます。
登録のしかたは3つ
- マイナンバーカードがある人:マイナポータルにログインして、「年金」のメニューからねんきんネットとつなぐ。ねんきんネットのユーザIDを取らなくていいので、いちばん手軽です
- 手元にねんきん定期便がある人:はがきに載っている17桁の「アクセスキー」を使うと、その場でユーザIDが発行されます。アクセスキーには有効期限があり、はがきに書かれています
- どちらもない人:基礎年金番号がわかる年金手帳などを用意して申し込むと、ユーザIDが郵送で届きます
はがきが届いたばかりなら、アクセスキーの期限が切れる前に登録しておくのがおすすめです。
59歳の年は、封書で届きます
ねんきん定期便は、35歳・45歳・59歳の年だけ、はがきではなく封書で届きます。
封書には、これまでの年金の加入記録がすべて載っていて、記録に誤りがあったときに返送する回答票と返信用封筒も入っています。59歳は、60歳を前に、自分の記録を最初から最後まで確かめられる節目の年です。
転職が多かった人や、結婚で名字が変わった人は、とくにこの封書をじっくり見ておきたいところです。
まとめ
ねんきん定期便 見方は、50代のはがきなら3か所で十分でした。
- 見込額(年額):65歳からの1年分。月々の額は12で割る
- 最近の月別状況:「未納」「未加入」の月がないか。働き方が変わった年はとくに
- 受給資格期間:原則120か月以上
そして、読む前に知っておきたい前提が2つ。
- 見込額は「60歳まで今と同じ働き方」の数字。退職や扶養で変わる。60歳を過ぎて働く人は、厚生年金の部分が増える。「何歳まで働いたら」は公的年金シミュレーターで試せる
- 「払った保険料」の欄は、自分が払った分だけ。会社も同じ額を払っている
はがきが届くのは年に1回ですが、ねんきんネットに登録すれば、記録はいつでも見られます。はがきのアクセスキーを使えば、その場で登録できます。
はがきの数字は、答えではなく「今のままなら」の目安です。届いたら、夫婦で一度ゆっくり眺めてみてください。

数字を見て不安になったら、それも話すきっかけなのよ。年に1回、ふたりで見る日にしてみてね。
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